一章:目覚め

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    【四月二十日:一周目】      夢と現実。この二つの境界は、まさに紙一重というほどに曖昧だ。    皆にはないかな? 朝目が覚めて、夢か現実か区別がつかないときが。    僕はある。時々だけど、夢の中で目が覚めて、現実だと勘違いしたり。    けど、大抵夢は滅茶苦茶な展開になるから、少し時間が経てば区別がつく。    ……そう、無茶苦茶な展開になるなら区別できる。    つまりは、無茶苦茶じゃないなら区別がつかない、というわけだ。    人によっては夢が現実で、現実が夢――なんてこともあるかもしれない。      で、こう小難しいことを語って、僕が何を言いたいのかというと……。          夢と現実の区別がつかないのだ。  
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