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太陽が部室で着替え始めると、すぐに仁が入ってきた。
「おい太陽ー!!今の朝の子だろ!?なんで二人でいたんだよ!」
興奮した様子で仁が言った。
「なんでって、うちのクラスの転校生だから」
「マジ!?あの子だったのかーおまえらのクラスの転校生ってのは!」
その言葉に今度はこっちが驚く。
「知ってたのかよ!」
「だーから言ったろ!?イイコトあるって♪」
得意気な顔をして仁が言う。
「いいことって、やっぱそのことだったのかぁ」
そういって太陽は再び着替えを続ける。
そんな太陽の冷静な姿をみて仁が言った。
「なんだよ、イイコトだったろー?」
「ま、たしかにいいことなんだけどさぁ
あまりに急な出来事だったからまだ頭の整理ができてないっつーか…」
そんなことを言った太陽の様子を見てさらに仁は得意気になる。
「お前さー、やっぱあの子のこと気になってるだろ」
「は!?だからないって!ってか大人の女がいいって話したばっかりじゃん」
太陽は自分で自分のくせに気づいた。
焦ってるとき
首元をさすりながら話すらしい。
もちろん今もそうしてた。
「ふ~ん。なら、オレ狙っちゃおっかなー」
「どうぞご勝手にー。
んじゃ、オレ先体育館行ってるから」
(なにー!!狙うとかマジかよ!!)
そう言って部室を出る太陽の耳に仁の「ちょっと待て」と言う言葉は聞こえていたが今頭の中はその前の「狙っちゃおうかなー」という言葉に焦りでいっぱいだった。
「ちーっす。」
体育館に入るともう何人か男バスがいて
逆のハーフコートに女バスが丸になって話していた。
その中の中心には
あかりがいて
おそらくみんなからの質問だろうことに答えていた。
するとその輪から
太陽が入ってきたことに
気づいたるなが
あかりの腕を引っ張りながらこっちに駆け寄ってきた。
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