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キーンコーンカーンコーン
「んっ…ふぁ~」
いつものように太陽(たいよう)は授業終わりを知らせるチャイムで目が覚めた。
「こら!山上(やまがみ)!また寝てたのか!!」
顔を上げると数学の先生がしかめっつらで見下ろしていた。
「はぁー…」
太陽は、高校2年生になったが今までただなんとなく過ごしてきた。
部活はバスケ部に所属している。
今は先輩も引退して自分達の代になった。
小学校のころからミニバスケットをやっていて、
バスケットだけは続いている。
そのおかげか分からないが、
身長だけは高二で180センチとクラスの中でも大きい方だった。
太陽が初めて付き合ったのは、
三年前の中学二年生なった時。
しかしその彼女も転校し、彼女との恋も五ヶ月で終わり今は彼女もいない。
テストはいつも平均点くらい。
別に将来の夢も決まっていなければ、勉強や高校受験に関して全くやる気も興味も湧かなかった。
言ってみれば
背が少し大きいだけの
ごく普通の高校生だ。
その日も何事もなくいつも通りに授業を終えた。
「おーい!太陽!部活行くぞ!!」
そう叫んだのは隣のクラスの相澤 仁(あいざわ じん)。
小学校からの友達で太陽と一緒のミニバスと部活で太陽の親友だ。
仁がバッシュ(バスケットシューズ)を片手に部活へ早く行こうと誘う姿もいつもと変わらない光景だった。
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