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「「……はっ!?」」
俺と山下の声がカブッた。井沢も声に出していないものの、目を見開いて驚いているようだ。
教室もザワザワしだした。なんか人数増えてる気がする。
俺、唖然。
山下、井沢、呆然。
教室、騒然。
そんな雰囲気の中で、ただ1人、田所だけはニコニコしてこちらを見つめている。
何考えてんのこいつ…。
昨日始めて会ったばっかだし、何より相手はこの俺だぞ。
「何言ってんの!?」
最初に沈黙を破ったのは山下だった。
「えっ?柳田君と一緒に帰ろうと思っただけだよ?あっ、勿論瑠花も美智瑠も一緒にだよ?」
「だから、それがダメなのよ!あと、うちら今日部活だって言ったでしょっ!!」
「えっ、そうだっけ?じゃあ今日は柳田君と2人で帰るね。」
とても必死な山下。たぶん田所が心配なんだな。
それに対して、田所はいつもの調子で返事を返す。
お前空気読めよ。周りもザワザワしてるし、親友2人も焦ってるぞ。
「っ!だからっ!何で柳田と帰る訳!?こいつの評判くらい知ってるでしょ!?」
「瑠花……落ち着いて…。」
随分ヒートアップしてらっしゃる山下とそれを宥める井沢。まぁ妥当な意見だな。俺なんかに話しかけるなんて今じゃあり得ないことだし、田所みたいな人気者だったら尚更。まぁこうなるのは分かってたけどな。
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