42人が本棚に入れています
本棚に追加
家路を急いでいると、いつもの公園に差し掛かった。
ここら辺は街灯もあまりない。
家とバイト先の調度中間地点辺りにある公園。
滑り台やらブランコやらがあり、日中は子供たちで賑わう至って普通の公園だ。
しかし、この時間にもなると、やはり、人なんて滅多に居ない。
逆に居るほうがおかしいな。
そう思いながら、公園から前方へと視線をやると、道の端のほうに踞る人影があった。
こんな時間だから、恐らく酔っぱらいだろうと思っていたが、よく見ると女の子のようだ。しかも傘をさしていない。
近づいてみると、あの服装はうちの高校の制服だとわかった。
どうやら、うちの高校の生徒らしい。
女の子がこんな時間に傘もささずに何をしているのかと思ったが、思うだけで関わるのは避けようとした。
俺は学校でも誰とも話さない。休み時間も睡眠または読書に費やし、昼休みは一人屋上で過ごす。当然部活には入っていない。
告られたりもしたが、全て断った。近づいてくる奴らも完全にシカトしている。
はじめは話しかけてきた奴らも、今では誰も近寄ろうともしなくなった。
別に嫌われたり、いじめられたりしている訳じゃない。
ただ、あいつらはきっと俺を怖がってるんだ。
あいつらは、何故俺が人との関わりを避けているのか知らない。
けど、俺はあの日学んだんだ。
人との関係が、どんなに下らなく脆いかを…。
最初のコメントを投稿しよう!