出会い

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今度は声が聞こえたようで、彼女はこちらに振り向いた。 暗くて顔はよく見えないが、相当疲れているのは確かだ。 「これ、そこに落ちてた。」 俺はそう言って、手に握っていたペンダントを差し出した。 「えっ……!ありがとぉぉぉ!!!!…じゃなくて、ございますっ」 俺の手にあるそれを見た途端、彼女の顔はパァっと明るくなった……気がした。 嬉しさのあまり、つい出てしまったタメ口を慌て直している。 まぁ、よかったかな…。 と、若干照れ臭くなっている俺に、彼女が近づいてきた。 月の光に照らされて段々と彼女の顔が見えてきた。 「「えっ」」 驚きのあまり思わず声を洩らしてしまった。 彼女も俺の顔を見て驚いているようだ。 まぁ、そうか。 わざわざ人に親切にするなんて、普段の俺からは考えられないもんな。 因みに俺は学校でちょっとした有名人だったりする。悪い意味でだが。 日頃の冷徹,無口,無愛想な態度から、俺の知名度は全校に広まりつつある。 まぁ、俺としてはどうでもいい。 そのおかげで俺に関わってくる奴もいない訳だから、逆にありがたいほどだ。
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