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そうして俺はさっきの川へと帰ってる訳だが――
ザッザッ(とてとて)……ピタッ
ザッザッ(とてとて)……ピタッ
ザッザッ(とてとて)……ピタッ
なんで幼女がついてきてんの?いや、腰まである白い髪、アルビノか?と思うくらいの白い肌。顔は美少女だけど、瞳が金色だ。わかる。わかるよ?どうせさっきの竜が人になったとかでしょ?だけどさ?簡単に認めたらダメだと思うんだ。
だから俺は川まで無視して歩いた訳さ。俺冷たいかな?だけどな、一応これでも混乱してるわけ。異世界デビューして、いきなり沢山のファンタジーの洗礼受けたんだもの。
さらさら~~……
川はいいねぇ。和むねぇ。俺はとっとと身体を洗うと、川岸に三角座りでリラックスしている。やはり自然はいいですよ。都会で色褪せた胸の染みを洗い流してくれますよ。――ガン見している幼女がいなければな……。
ヤツは5メートルくらい離れた木の木陰にちょこんと座り、金色の瞳でガン見しやがってます。突っ込み待ちですよね?――断固拒否します!
そういえば腹減ったな……なんも喰ってないもんな。さっきの熊肉とっときゃ良かったわ……。
まぁぼやいた所で状況は変わらないので、俺は川岸をうろうろして乾いた流木を集めた。そして組み上げ、細い棒を板状の木に当てて……
グルグル……ボワッ!!
流石のチートボディだな。グルグル発火法が一瞬だ。あっという間に焚き火が完成し、俺は人の頭程の石を両手に持ち、川のなかに立った。そしてそれをゆっくり振りかぶり――
ドンッドンッ!
水面に10m程の水柱が2つ突き上がり、プカプカと気絶した魚が10匹程浮かんでいた。
俺は手早く串代わりの枝に刺し、魚を焚き火のまわりに立てた。後は焼けるのを待つだけだ。
俺は後ろを窺うと、やはり幼女はガン見している。むぅ……めんどくさいなぁ。
「おいお前、食べたいならこっちこいよ」
俺はもう無視を諦め、幼女に手招きしてやった。幼女はパァと笑顔になり、すたたたた…と小走りに俺に駆け寄ると、俺の胸に飛び込みスリスリと頬擦りしてきた。
……なにこの可愛い生き物は。イケナイ性癖に目醒めそうじゃないか……。
「わぁい!ムイムイ大好きっ!!」
喋った!だが、ムイムイって誰!?
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