取り敢えず人肌恋しいよな?孤独だと。

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とは言ったものの、まずはこの深い森を脱出しなけりゃ話にもならない訳だが…… 「なぁ?竜の姿なって一気に脱出とか出来ないのか?」 「んとな?ウチ、どうやら魔力を使い果たしたみたいやねん。せやし変身はしばらくできんねん。ごめんな?ジュンタ」 だからもじもじすんなって……理性が…… 「まぁ、しゃあないな!俺が背負って行くわ。さぁこいノエル!合体だ!」 「わぁい!がったーい!」 ノエルはぴょんぴょん跳ねながら、俺の背中に飛び付いた。俺はそのまま川の下流へと全力疾走した。 水しぶきを大量に発生させながら、俺は風になった。今の俺なら、ペンギン村の機械娘にだってかつる。 「はやいー!はやいー!」 小一時間も走っただろうか?森が切れて景色は田園風景となった。そして、川岸に街道が走っていた。 どうやら街が近いらしい。だが、少し先に馬車が横倒しになっていて、数人の男が取り囲んでいるのが見えた。山賊か!? 「ノエル、急ぐぞ」 「うんッ」 俺はさらにギアを上げ、一気に場所に駆け寄った。そこには血塗れで絶命している人間が数人と、今まさに犯されそうになっている身なりのいい年若い娘が、山賊と思われる男に抑えつけられていた。 山賊は四人、手には曲刀を持っている。それぞれ下品な笑いを浮かべている。気色悪いなホント。この嫌悪感はいわゆる生理的に受け付けないというやつだろうな。 きっとこの世界は、命の重さは軽いんだろう。獣に襲われ、山賊に殺され、理不尽を理不尽だと声高に言えない世界なんだろう。だったら、俺はせいぜい抵抗して生きてやるわ。 俺は、今から、人を殺す そうして俺は、ノエルを背負ったまま、走り寄る勢いそのままに女を犯そうとしている男の頭を蹴りぬいた。 ゴキンッ!!! 男の首は根元から折れ、支えを失った頭部はあり得ない方向にだらりと伸びた。 山賊達は馬車を襲い、危険が無くなったと安心した状態で、戦利品を漁っていたつもりだったのだろう。 だが、俺が起こした非日常な光景に、山賊達は放心している。だが、だんだんと正気になり、そして―― 「なんだテメェわあああっ!!ぶち殺すぞぉ!!」 「貴様ぁぁ生きて帰れると思うなああぁぁ!!」 山賊達は恐怖を感じながらも刀を俺にむけ、ジリジリと間合いを詰めてくる。女は気絶したようだ。ノエルは興味無さそうに欠伸をしている。
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