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「おはようお兄ちゃん」
目を覚まして着替えを済ませた駿が、階下へ下りようとドアを開けたところで、二つ年下の妹、亜理沙が自分の部屋から出てきた。
「お、おはよう」
妹の可愛さに、つい駿の頬がほころぶ。
「あ、お兄ちゃん。襟がおかしい」
そう言って亜理沙は駿の襟に手を伸ばし、それを直してくれる。
真剣な眼差しの妹の目が、駿の顔のすぐ前。
(か、可愛い……)
駿は思わず抱きしめてしまいそうになる欲望をグッと堪えた。
目の前の妹は、なんて良い香りがするのだろう……。
「はい。OK」
直し終えて笑顔になる亜理沙。
「ありがと」
「うん」
可愛く微笑んだ亜理沙は、先に階段を下りていく。
駿はその背中をボーっと見つめた。
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