七夕物語

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「イヤ―――!どこまで落ちるのよ―――?!」 凄い早さで暗闇の中を落ちる少女は叫び声を上げる。暫くして下で小さな光りが見え、そして徐々に広がると少女は光に飲まれた。その時一瞬…誰かが視界に入ったような気がした。 青銀色の髪に端正な顔立ち… (どこかで見たような…――) そんな事を思った瞬間、少女を衝撃が襲った。 「―――ィタタタタ…、ここは…?」 何かにぶつかった衝撃で額をぶつけたのか、少女は額を擦りつつ辺りを見渡す。キョロキョロと視界を巡らし、間取りや棚位置などで今まで居た倉庫のようだ。しかしどこか違和感があり軽く首を傾げる。 その時強い力を感じ、視界が揺らいだ。そしてダンッ――という音と共に床に押し倒され、腕を強く握られる。 「――イタ‥ッ、」 腕に食い込む程握られ、痛みに顔が歪む。上からは殺気が突き刺さり、少女は無意識に睨み上げた。 しかし瞬時に目を見開き驚愕する。目前には……幻だと思った青年がいて、少女は彼から目が離せなかった。 「―――お前どこから来やがった?」 問う声……それさえも、心に引っ掛かる。なかなか思い出せずに凝視していると更に睨まれた。「誰だと聞いてるんだッ!しかもその衣…」 禁色であり王家の色である紫色を着ていた少女に、青年は警戒心を強める。この世に生きている王家はただ一人だ、ならば目の前にいる人物は怪しく危険な存在。しかも侵入罪が加わるだろうと頭の隅で思った。 しかし何を問おうと答えがなく、探るような視線だけが突き刺さる。とうとう痺れを切らした清雅が叫んだ。 >
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