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俺達は気迫もなくただ呆然と道を歩く
どれくらい歩いたかはもう分からない
ただ、俺達の場所を教えてくれるのは道に立っている弾痕のある道路標識
「ずいぶん歩いたな。この辺で休憩しよう」
「…」
広瀬陸曹の言葉で全員がその場に力なく座り込んだ
ちなみに俺達、第3小銃小隊は本隊との合流を試みたのだが
防衛陣地を築いていたところには無数の砲弾の跡と、黒煙があたりを覆っていた
地面にはキャタピラの跡が無数に伸びており土嚢で形成された盾は見るも無残に走破されていた
一応戦ったようだが味方の姿がまったくなかった
死体すらなかった
俺達は味方が後退したと思い司令部のある前橋まで歩みを進めたのだ
全員の目からは絶望しか漂っていなかった
そんな空気が充満している中、草津二等陸士が遠くを指差して騒ぎ始めた
草津「あれ!! こっちに銃向けてるッスよ!!!」
その言葉に全員がその方向を向くと甲高い銃声が響き渡った
広瀬「全員銃を取れ!! 敵は3人だ、油断はするなよ!」
慌てて安全装置を外しその場に伏せるまで敵? からの銃弾が体のすぐ近くを掠めていった
神流「くっそ!」
俺は銃の引き金を引いた
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