7人が本棚に入れています
本棚に追加
ヘリの窓の外には同じ旅団のヘリコプターがそれなりの数見える
「いいか、我々の目的は、傷ついたアメリカ軍兵士の回収だ。戦闘をしに行くのではない」
ヘリコプター内部の通路を分隊長が喋りながら歩き回る
「予想される米軍兵士の量はかなり少ないと思われる。ヘリを着陸させたら迅速に行動しろ。敵の進撃速度は思った以上に早い」
徐々に窓の外が白くなってくる
雪が降っているのか、はたまた溶け切っていない雪が舞い上がっているのか
良くわからないがとにかく雪が舞っていた
装備はとりあえずいつも使っている9mm拳銃に89式小銃
中には数名支援火気として5.56m機関銃を携えているものも居る
相変わらずヘリのローター音が凄い
パイロット「目標まであと5分です」
「わかった。総員最終チェックをしろ! わずかながら安全といえども回収が終わるまで飛び立てないからな!!」
隊長の一声で全員が装備の最終チェックを終えると
ヘリの動きが少し止まった
パイロット「こちらスワロー。これより着陸へ移る」
徐々にヘリが降下をはじめた
「総員スタンダップ!」
パイロット「…5…4…3…2…1…着陸。後部ハッチ開きます」
少しずつ開くハッチから大量の雪と光が舞い込んできた
「行くぞ!! 俺に続け!!」
銃をしっかりと握り駆け足でヘリを降りた
徐々に増える味方
うるささを増すローター音
かすかに聞こえる指示
「よし。発炎筒を焚け!! 場所を示してやるんだ」
「了解!」
まだ新顔の2等陸士が発炎筒を灯した
もくもくと空高く上がる真っ赤な煙
まさか攻撃の的になるとは思いもよらなかった
最初のコメントを投稿しよう!