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テーブルに着くと、【いただきます】の言葉とともに食べはじめる二人
ナイフとフォークでおしとやかに食べる春香とダイナミックに手づかみで食べる夏樹。なんで双子なのにこうも違うんかね~。見た目はどちらも変わらないのに…これが個性ってもんなんだろうか?
朝っぱらからよく食うよな…
二人の食べっぷりを眺めつつ、ほお杖をつきながらコーヒーを胃に流し込む。
「お兄ぃ、行儀悪いです」
「そうだ、そうだ。もごもご…」
「あっ、悪い。つい…。お前達に見とれてた」
しれっとこんな言葉を言う兄貴なんて、普通一般の妹ならまるでゴ〇ブリか何かを見るように嫌悪感をもよおすはずなんだが…
うちの妹達はちょっと違う。
「はにゃにゃ…なんて言ったの?お兄ぃ」
「もっと言ってよ。お兄ぃ」
「おい、夏樹。それミルクと違うし…、春香も…サラダに醤油掛けて食うつもりか?」
俺が変な事言ったもんだから、夏樹はドレッシングの瓶を口に持ってこうとするし、春香は春香でドレッシングと間違えて醤油掛けちゃうし……
二人共、顔から湯気が出そうなほど真っ赤になってる。
「あらあらまあまあ、お兄ちゃんも隅に置けないわね」
食後のお茶を啜りつつ、俺達を見て微笑む母さん。ねぇ意味わかって言ってんの?
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