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「この声…まさか?」
恐る恐る振り返って見た…、あれ?いない。
「こっちだってば、冬弥。まさか、あなた自分の大事な幼なじみ様の声忘れたの?ひどい」
「様を付けるな、何様だよ。しかもさりげなく「大事」なってなんだよ?」
「奈美様よ。すべてにおいて文句あるかしら?」
「へ~へ~、わかりましたよ。奈美様、これでいいか?」
振り向くと腕を組み、笑顔で仁王立ちしている美少女がそこにいた。
彼女の名前は新倉奈美(にいくらなみ)
小学校の頃から一緒の幼なじみで生粋のバレーボーラー。大河とも面識はある(中学に入ってからである)
「合宿ご苦労様。今回はどうだった?」
奈美なりの気遣いである。
「ん~、いつもとかわんなかったよな?大河」
「うん、そうだよな。初召集の人もいなかったし、いつもと変わんなかった。」
確かに今回は特段変わった事はなかった気がする。
「ふぅん。で…、試合はあるの?」
「確か月末に親善試合があるって言ってたよな?相手はどこって言ってたっけ?」
「聞いてなかったの?相手は韓国だよ」
なんにも聞いてないの?と呆れ気味に大河が答える。
「ほぇ?韓国。勝てるの?」
「勝つさ、俺のフリーキックと大河の飛び込みはA代表でも通用するって言ってたよな?まぁ、お世辞だろうけど。」
「だよね~、確かに冬弥のフリーキックって僕が思うにA代表レベルだよ。」
親指を立てGoodのアクションをする。
「さすがは我が幼なじみ。鼻が高いよ。うんうん。」
「「それはこっちの台詞だ。」」
俺達が談笑してると、周りにいた生徒達が憎しみを込め睨んでいた。
「俺の奈美様に何を話してやがる」
いやいや、お前のじゃねぇし…
「私の大河様~と冬弥様~」
跡付けみたいな台詞はよせ~。よし、あの世紀末覇者は大河に譲ろう。
「出ようぜ、なんか取り殺されそうだ」
「そうね。アイドルはつらいわ。」
「「誰がじゃ」」
見事なハーモニーで奈美にツッコミをかますと、学校へ向かった。
次は人物紹介です。
終わり次第本編に移行します。
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