罪と音楽

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小室哲哉氏の著書「罪と音楽」を購入し読ませて頂いた。この著書は、とても感慨深く人間の本質について考えさせられる…。彼が歩んで来た音楽の道程は決して順風満帆な物ではなく、 時には彼自身を傷付ける凶器のような存在だったのだと思えた。90年代、彼の音楽に心打たれ熱狂した人はとても多いと思う。事実、彼なしでは今の日本の音楽シーンはありえないものだし、彼は確実に日本の音楽史の年表に名を刻むだろう。そんな世間から見ると完全な成功者である彼が犯した罪はアーティスト特有のEGOISTICな感性と人間特有の傲慢さが悪い形で織り成した負のMechanismなんだろうと思わざるを得ない。僕はこの著書の中で「音楽を裏切りかけた僕を、音楽は裏切らなかった。」の一文がとても好きだ。腐っても鯛とはまさにこの事か。彼はやはり日本の誇る天才的アーティストなんだと実感させられる一文に思えた。著書には独房から裁判、判決、公判についての所懐、自らの音楽持論などが綴られている。また、YOSHIKI氏への敬意の気持ちや先日惜しくも他界されてしまったMichael Jacksonさんとの思い出も綴られている。彼のファンのみならず、音楽ファン…特にダンスミュージックやトランスミュージックが基盤のJ-POPファンには必ず読んで欲しい一冊である。
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