2ヶ月と21日目の話

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主であるリュウゾウが雛鳥学園に赴任して、今日で2ヶ月と21日が経過した。 相変わらず、体力が壊滅的だ。 この炎天下に道端で倒れないことを祈る。 今日は主の同僚、同学園に勤めている教師、ファフニールと話をしていた。 いったい何が悪かったと言うのだろう。 話題は確か、「結婚するならどんな子供が欲しいか…」だったはすだ。 すでに問題は解決済みだが、なかなかに興味深い内容だったので、日記にその顛末を記しておこうと思う。 「うちな、藤矢ちゃんとアクロくんと季佐くんと海瑚くんとクランちゃんとアズールくんとレスティアちゃんとフランくんみたいな子供がほしいわぁ」 ファフニールはうっとりとした様子でそう話していた。 式神である私にその話題を振られても困るのだが、主の同僚と話をしているのだし、無視するわけもいかない。 思ったままを私は答えた。 「標準装備が虫取り網で、亀のお残しは許さなくて、噴水で目撃される感情の起伏が激しい記憶喪失の不憫か」 なかなかの模範回答だと、自分を褒めてやりたいくらいだった。 相手は魔族の龍、期待は裏切らない回答だったはずだ。 「ほほぅ…、凄いキメラが出来あがりそうだ」 その発言の後、号泣したファフニールに空の向こうへと投げられてしまった。 帰るまでの道程は大変だったが、奇跡的にも私は無傷だった。 主を探す道すがら、主の同僚である教師ひふみと出会った。 今までどこで何をしていたのか?と問われたものだから、ひふみに事の顛末を説明し、鬼としてどう思うのかが気になった私は、そのことについて質問してみることにした。 「何が悪かったと思う?」 う~ん…としばらく考えてから、ひふみは笑顔でこう答えてくれた。 よもや、そこに問題点が隠れていたとは…なかなか奥が深いものだと、私は痛感させられた。 「亀とお残しをくっつけちゃいけなかったんだよ」 「…なるほど、そこか!」 明日、ファフニールに会ったら、まずはこのことを謝っておかねば、主と変な空気になられても困るからな。
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