あの夕陽、メリーさんの街

雨

「それで中山さん、どうして家に？」

「あ、メリーでお願いします」

と、小さくと頭を下げる。

「今日ここに来たのはあなたに驚いてもらう予定だったんですが……」

驚いてませんでしたよね……と下を向いてメリーさんは落ち込みだした。

「驚かすのが仕事なの？」

「はい、そうなんですけど、まぁ自分の為ですね」

「ん？いまいちよくわからない」

説明すると長くなるけどいいですか？」

「いいよ、どうせ暇だし」

せっかくの休日を雨に邪魔され
どこへも行けない僕にはちょうどいい暇つぶしだ。
平凡な日常に訪れた大きなイレギュラー。僕はこのメリーさんに付き合う事にした。