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『俺…鳶職しようかな』
こいつは誠司。
コブラと呼んだ張本人で、俺の唯一無二の親友だ。
誠司は面接中にパニックになり、面接官に殴りかかり落第した。
『誠ちゃん、じゃったら俺のとこで働きねぇや』
既に土建業で働いているこいつは邦吉…通称クニ。
心優しい大切な仲間の一人だ。
こいつは入試の時、鬼のような剃りこみに、敢えて長ランにドカン…そして下駄できた。
長ランとは学生服の上着でボタンが7つぐらいあり丈は膝下ぐらいまである長い学ランだ。
ドカンとは学生服のズボンで、腿巾、膝巾、裾巾が同じ巾だが、その巾は普通の学生ズボンの三着から四着分もある。
まさに土管に足を突っ込んでるみたいだ。
昔の不良マンガ…番長とかの響きが似合う姿だ。
だが、なぜそんな格好で来たのか?。
クニが言うには
『面接とは…インパクトじゃけん』
見事に落第したのだが。
『俺はもう少し遊ぼ。』
こいつは三樹雄。
口が悪いのが欠点だが根はいい大切な仲間の一人。
こいつの場合は、試験中に隣の席の受験生が出した消しゴムのカスが自分のとこに飛んできたとケンカを始めて、途中強制退去。
言うまでもなく落第。
そんな仲間達とは、学校から帰ってくる頃、俺の家に集合して、意味のない、意味ある話を毎日語ってる。
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