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―――――――……か……さん!!
ひ……かた……ん!!
頭上で誰かが呼ぶ声がして、意識を取り戻した小鈴。
「土方さん、しっかりしてくださいっ!!」
焦ったような声で土方を呼ぶ沖田の声で、小鈴の意識は完璧に覚醒した。
お父様に何かあったの!?
小鈴は慌てて起き上がった。
「良かった……無事みたいですね」
自分の顔を見て、心底安心したような沖田と斎藤。
土方を呼んでいたはずの沖田が、何故自分を見て安心するのか分からず、小鈴は首を傾げた。
「ったく、びっくりしたんですからね。小鈴ちゃんと二人で倒れてるから、何事かと思いましたよ」
しかも、沖田の口調はまるで土方に対して喋っているかのように敬語だった。
「副長、本当にお怪我はありませんか?」
え?
今、斎藤は自分を見て【副長】と言った。
小鈴は、訳も分からず辺りを見渡す。
すると、少し離れている所に少女が倒れていた。
それは紛れも無く自分の姿。
「ちょっ……土方さん!?」
小鈴は庭にある池へと駆け寄った。
水面を覗き込むと……そこには土方の姿が映っていた。
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