野球と夏恋(前半)

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 直樹は大きく息を吸って、構えた。  「よし、来い」  慎太郎のボールを呼ぶ声と同時に、振りかぶって投げた。うまく、指にボールがかかり、慎太郎のミットにきれいに入った。これでワンスストライク。次のサインもカーブだ。  次のボールで決めなくてもいい、とりあえず、追い込んで楽にしよう、と直樹と慎太郎は思っていた。  直樹は投げた。ボールはまたも、思惑通りいいコースに入った。  慎太郎からストレートのサインが出て、思いっきり腕を振って投げた。  ボールはバットに当たり、レフト前に落ちた。ランナーが一人、二人と帰ってくる。これで三点取られた。だが直樹は落ち着いていた。次の打者で終わらせると・・  直樹は、気持ちで次の打者を抑えた。みんなでベンチに戻る。みんなはまだ、諦めていない。    
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