四月「僕はフラれました」

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桜が咲き始め、暖かな春風が吹き始めた。 彼女のあゆみと同じクラスになることができた。 しかし、最近あゆみが冷たい。毎日一回は、どんなに忙しくてもメールをしていた。しかし最近は、自分からメールをしても、たまにしか返って来ない。学校でも話しかけても、少し話しただけで、女子の群れに帰っていく。  四月中旬、あゆみに呼ばれ駐輪所で待っていると「本当に、本当に大っ嫌いなんだから」そう言ってどっかに走って行ってしまった。何が起きたのかがまったくわからなかった。家に帰ってもご飯が口を通らず、ベッドに入ってもなかなか寝れなかった。翌日になっても、あゆみの言葉が頭から離れなかった。今日は土曜日で、学校に行かないで済むのが幸いだ。しかし部活動があり、とてもいける気分にはなれなかったが、春の大会が近く、スタメンから落とされる訳にもいかなかったため、乗り気ではなかったが行くことにした。  まず、グラウンドに礼をして、走ったあとキャッチボールをして、ピッチングをした。思った通り、練習に熱が入らなかった。特にピッチングは、キャッチャーの慎太郎にダメ出しを食らった。だが、全く耳に入って来なかった。家に帰ってもいつの間にか夕食ができていた。   おなかが減っていたためご飯を食べることができた。  翌日の日曜日は部活がなかった。本来ならば、友達と遊びに行くか、あゆみと一緒に・・・  いろいろなことを考えている間に、陽が沈んでいた。  失恋から二日がたっても、全く気分が良くならない。  
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