始まりは突然に

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    ビクッ 『ちょっ!』 「何だ?」 『何でもないで…す、よ』 カタカタと手が震える (これって…お兄ちゃん?) この場にはいないはずなのに 身体には覚えのある感覚 『や…だっ…』 尋常じゃないほどの汗が 額に溢れてくる 「どうかしたのか?」 『いえっ、大丈夫で…す』 寝ていた布団にうずくまり 堪えきれず涙を流す (どうして…? お兄ちゃんはいないのに) ビクッ 『あぁっ、やだぁー…』 我慢しているのに 出てきてしまう声が憎い お兄ちゃんを理由に 流す涙も憎い 私の存在そのものが憎かった  
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