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「オススメはね、クリームソーダ」
「じゃあ……それを」
「かしこまりました」
ニカッと白い歯を見せ笑った彼を直視出来ず、俯きながら静かにメニューを閉じた。
あんなに珈琲の種類があるのに、どうしてクリームソーダがお勧めなのかしら。
そう思いながら窓の外で揺れる向日葵を眺めた。
「お待たせ致しました」
目の前に透き通った翡翠色が鮮やかなクリームソーダが置かれた。
「……いただきます」
細長いスプーンをグラスへ入れようとしたその時だった。
「待った!!」
彼は私を制止した。突然の大きな声に肩がびくりと反応し、身体が強張る。
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