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場所は変わって、とある人里に少し古びた寺子屋があった。そこでは変わった帽子を被る獣人が、子供にとって小難しく感じる歴史について教えていた。
「―――という事で、この幻想郷が出来たんだ。わかったか?」
「「「はーい♪」」」
子供達は元気な返事はするものの、それを本当に理解しているかなんてわからない。だが、獣人は満足した様子で、うんうん、と頷いていた。
この寺子屋がある世界は幻想郷と言う、夢のような世界であり、忘れ去られたものが辿り着く世界である。この世界には人間はもちろんのこと、幽霊、妖怪、吸血鬼、鬼等が住んでいる換わった世界だ。
そして、この寺子屋で子供達に幻想郷の歴史を教えているのは、上白沢慧音。彼女は獣人だ。慧音は知識が豊富で、もっとも賢い獣人と言えるだろう。その為、人里で寺子屋を開いて、子供達に色々と教えているのだが、それが子供達が本当に理解しているのかはわからない。何より、彼女の授業は、子供達にとって難しいのだ。それは大人達でも難しいと思うほどだ。
「よし、今日の授業はこれで終わりだ。今日習った事はちゃんと復習するんだんぞ?」
「「「はーい♪」」」
子供達は元気に返事をして帰る準備をした。日も沈みかけており、幻想郷は段々と夕暮れを迎えようとしていた。
「気を付けて帰るんだぞ」
先生として、子供達が無事に帰ることを祈っての言葉を、元気に帰る子供達に向けた。人里は、外部からの妖怪の襲撃は全くないが、念の為、と言ったところだろう。
慧音は子供達が帰った後、自分も岐路に着いた。
今日は、人里に泊まらずに、迷いの竹林へと足を運んだ。
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