第二章 悪魔の団体

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「フレンドリー、ですか?」  言い方は悪いが、孤児院の子供たち以外の庶民と関わったことなど片手の指で数えられるほどしか無い。  それも畏怖の対象として、だ。  好奇の目と畏敬の視線に曝されただけ。  こんなにも同等の存在として話すことなんて、孤児院にいた子供たちとしかない。  大人とは、皆無に近い。 「そうそう。オレとしても、アンタみたいな美人さんと知り合いになれたら誇らしいし。あ、やっぱり今のは無しで。何かオレの器が小さいって思われそうだし。まァ要するに、お互いフレンドリーに行こうぜ。大丈夫だって。オレ、こう見えても結構硬派なんだからさ」 「はぁ」  怒濤の言葉攻めに、アリアは生返事をする。 「つーわけで、今度からちゃんとカズトって呼び捨てにしてくれよ。さん付けされるのって、あまり好きじゃねェしさ。頼むぜ」 「解りました、“カズトさん”」 「うおーいッ!! カズトって呼んでくれって頼んだ瞬間に、さん付けですか!? 無しで。今の無しで! さん付け止めてって言ったじゃん!」  まだ何も注文していないのに平然と騒ぐ一刀とアリア。店に対して無礼だろうけれど、他の客も騒ぎ騒がれているから気付かれていない。  ――それに……。  不謹慎かもしれないが、アリアは楽しかった。この無作法な問答が。とても、楽しかった。  だから言う。 「では、カズトさんの考える友達とは、自分の考えや好みや趣味嗜好を押し付ける間柄なのですか?」
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