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ちょうどその頃、アリアたちの足下――来の教団地下アジトは混沌の最中にあった。
轟剣と吼翅に率いられた精鋭のギルド兵士二百人が一斉に突入。“ほぼ同じタイミングで何故か内部から火の手が上がり”、アジトの中は一気に地獄絵図と化した。
悲鳴や怒声が木霊して、様々な機具に引火した火の手は更に燃え広がり、耳をつんざくような爆発音を奏でる。
アジト上層部がいつ崩壊してもおかしくない状況だ。
襲い掛かる研究者や金で雇われたらしい猟兵を薙ぎ払いながら、ギルド兵士たちは生き残ってそうな子供たちを捜索していく。
彼らは精鋭だ。何十回も戦場を駆け抜け、生き残り、実戦と云う貴重な経験を幾多も積み重ねてきた兵士だ。
戦場では冷静にならなければならない、という教訓を心身に叩き込まれている。
にも拘わらず、彼らはアジト全体に広がる無惨な死体や生気を失った瞳、ご飯はおろか服すら与えられていない痩せ細った裸の子供たちを見て、それぞれが一様に同じ感情を抱いた。
悲しさ、そして研究者への憎悪である。
まさに外道。悪魔の仕業。
しかし、行ったのは彼らと同じ人間。それがまたギルド兵士の憎しみを悪化させ、研究者たちの命乞いを無視させた、
俺たちはお前たちと違う!
雄叫びは風切り音と悲鳴と血の噴き出す音によって掻き消える。そんな光景が、炎上するアジトの至る所で目視できた。
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