第二章 悪魔の団体

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 憎たらしい幼女の顔が脳内で反芻される。奴はケケケケ、と楽しげに笑っている。  いつでもどこでも鬱陶しい上司だ。 「で? アンタらの目的は何? 未来予知者を造るとかワケ解んない理由の裏に何があるのよ」 「答えを一つ、簡単な話だ。合成獣計画、天使化計画、ワタシが進めてきた実験の最終段階を推し進めるだけ」  まさか――。  シェリアは怒鳴った。 「アンタ、正気!? 堕天使も天使も人間の手に負える代物じゃないわ! あの時、身をもって知ったでしょうがッ!」 「嘆きを一つ、ワタシの失敗は人間の身体を天使に昇華させようとした点。堕天使に堕落させようとした点。そして――失敗した」  ならば答えは決まっている、とゼクセルは付け加えた。 「天使も堕天使も、人の中に押し留めてしまえば良い。第一世界に成功した男、クルードが成し遂げたように」 「――――外道が」  唾棄するように吐き捨てる。 「必ず死ぬわよ、その実験体」 「肯定を一つ、そうだろうな。二次覚醒すれば数ヵ月の内に精神を破壊される。人間の心は脆く弱い。だが、ワタシは見てみたい。化け物を内包した人間の力というものを」 「それをここでしていたのね」 「肯定を続ける、その通りだ。子供は容易に感化される。天使だろうが堕天使だろうが。故に実験体にした。そして、実験は成功した」 「――止めてやる」 「否定する、不可能だ」 「アンタを殺すわ。今ここでね」  ネの部分を強調し、シェリアは大剣を無造作に振るった。  剣先から放たれた衝波が研究所の壁を斜めに切断する。  壊れ、崩れ、朽ちていく。  ゼクセルは嘲笑った。 「嘲笑を一つ、無闇に剣を振るったところでワタシを捉えることなど――」
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