15歳の私。

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不意に杏子が私の顔を覗き込む。 「花粉なくなれ、とか考えちゃだめだよ?」 「なっ!人の心読まないでよ!」 ガタガタと椅子を後ろに引きながら言う。 「だっていっつも憎しみこめながら言ってるでしょー?そりゃ分かるよ」 あははっ、と軽く それでいて柔らかく笑う。 小学生の時と変わらない口角を下げた笑顔。 だからこんなに優しい笑顔なのか、と思った。 栗色の綺麗な髪が風でふわっとあがった。 「…っくし!」 ガラッ 私のくしゃみと同時に先生が入ってきた。 なんてタイミングのいい…
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