15歳の私。

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「転校生ってどんな子かなー?男の子だったらいいのにね!」 これでもかと言わんばかりの笑顔を私に向ける。 こんな顔を向けられたら男子なんてイチコロだろう。 「んー、どうだろうね。それよりも杏子。あんたそのミーハーっぷり治さなきゃ高校行ってから苦労するよ?」 さっきまで笑顔だった杏子の顔が少しひきつった。 「……やっぱり?私ってミーハーだよね。」 さっきの笑顔とはうってかわって急にしょげだした。 でもしょうがない。事実である。 例えば剣道男子が優勝すると 必ずかっこいいと言いながら見に行き、 吹奏楽男子がトランペットを吹いていてもかっこいいと言い 挙げ句のはてにはドラムを叩く女の子素敵!…とまでおっしゃる。 流行りものに目がない杏子。 これをミーハーと呼ばずしてなんという。 「ねぇ雛ちゃん。いつまで教室の前に立ってるの?」 杏子のミーハーをフォローする暇もなく、いつの間にか教室に着いていた。
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