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「いやいや、そういう訳にもいかないから」
俺はウルの前まで手を持っていってから回復の魔法を唱える
「む?」
「えーと、ベホマ」
また回復の時の独特な音がどこからともなく鳴り響き、ウルの傷を癒す。このイメージは二回目だったから思ったよりも簡単にできた
てかこの能力自体にほんの少しは慣れてきたかも
「おお、このような高度な回復魔法を使いこなすとはすごいのう、聞いたことのない魔法じゃったが」
「まあ、ここら辺じゃ知ってる人はいないんじゃないかな」
なんせ異世界の架空の魔法だし。とは口に出さない
「よし、治ったみたいだな。それじゃ行くか」
ちゃんと傷は塞がったみたいだ。ベホマすげー
「む? 何処へ行くのじゃ?」
「いや、あっちに待たせている人たちがいるんだ」
走ってきた方向を指さしながらウルに言う
「ふむ、ならば行かないといかんのう」
「そういうこと」
そういいながら走ってきた方へ向く
「……このわらわが知らぬ魔法がある? フ、面白い、実に面白いのう。この者とおれば退屈することはなさそうじゃ」
「ん? なんか言った?」
何か小声でウルが言っていたような気がするがよく聞こえなかった
「なに、大したことではない、別に気にすることは無いのじゃ。それよりも人を待たせておるのじゃろう?」
「そうだった、行こう」
「うむ」
そうして、俺たちは来た道を戻り始めた
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