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「お、いたいた」
しばらくウルと歩き続けているとやっと二人が見えてきた
「ふむ、あの二人が待たせておった者共か?」
「そ、おーい!」
手を振りながら二人に近寄っていく
「あっ、昇司」
「あの時の……」
二人も俺たちに気が付いたようだ
「斉藤 昇司。昇司でいいから。ところで怪我は大丈夫?」
「は、はい! まだうまく動けな……ませんが、本当にありがとう……ございます!」
まあ、あんなにひどい怪我だったし、治ったからっていきなり動き出せる訳はないか
あ、ウルは別物だからね。魔力でカバーしたって言ってたし人間じゃなくてワイバーンだし
「いや、そんな無理に丁寧に言わなくていいよ。もっと楽に喋っていいから」
「う、うん。あたしはアリサ。アリサ・ティオ。で、そっちの子は?」
ウルの方を見ながら言うアリサ。こんな幼女状態じゃさすがにわからないか
「む、わらわか。わらわはウルミラじゃ。ウルでよいぞ」
「分かったよ。よろしくね」
「うぬぅ? お主、どこかで見覚えが……」
二人が自己紹介している中、さりげなく俺の後ろに回り込んでいたクリスが俺にささやく
「……昇司。誘拐は犯罪だよ。早く返してこないと」
「いやいや、違うから。そんな馬鹿なこと言ってないでクリスも自己紹介してきたらっと」
クリスの背中を押しながら言う
「っとと、あ、私はクリスチーナラスクね。よろしく」
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