届け。

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キーン コン カーン コン。 校内に響き渡るチャイム。 僕は、毎日この鐘の音に起こされる。 起きれば 面白いように彼女が 僕のところにやって来ては、こう言う。 「アキ!!また今日も寝てたでしょ。」 毎度これの繰り返しである。 いっそう、居なくなってくれれば 僕も楽になるだろうに…。 そんな馬鹿げた考えも毎回 頭に浮かぶ。 これっぽっちも そんなこと思っていないのに。 「ねぇ! 聞いてるの明(アキラ)。」 聞こえないほどの 溜め息を溢しながら 彼女を見上げる。
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