届け。

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ーーーーーーーーーーー ーーーーーー あの後ろ姿を見ると 昔から落ち着く気がした。 小学校のころ 先生に叱られた日の放課後。 恥ずかしくて、悔しくて、情けなくて、 誰もいない教室で独り泣いていた。 そんな時、千穂が教室に入って来て 言った。 「帰ろうよ。アキ君。」 何も言わないで、ただ「帰ろうよ」 と言って無邪気に笑う千穂は まるで天使のようだった。 そして廊下へと歩いていった。
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