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「清海、そろそろ起きろ。」
細い肩を揺すぶってやれば、まだ焦点の定まりきらぬ目。
昨夜の愛撫が堪えたか。
幼いように見える顔立ちなのに、こうした朝や情事の後に見せる気怠るそうな表情はぞくりとするほど艶かしい。
ここでは日本と違って、同性同士でも嫌悪のような目で見られることは少ない。
それでも困難は付き纏う。
辛い道とわかっているからこそ、清海を巻き込みたくはなかった。
清海の手を取ることを逡巡させた。
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