激しさをこの胸に抱いて

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「ううん、別に」 「そか」 私と翔の関係は、もう結構冷え込んでいる。 そりゃあ一年も同棲してたら当然かもしれない。 私は翔と喧嘩するたびに、もう別れる?もう無理しなくていいよ、会社も辞めなよって言うけど、翔は安定性を求めてるから別れないし会社も辞めないし出て行かない。それがまた私をイラつかせる原因なのだ。 彼がたまに宮城に里帰りしたりするたびに私は冷めるしそのたびに男遊びをしたりするけどバレてない。それにまた冷める。 冷めるばっかだな。私の恋愛体温は零下まで下がってるんじゃないだろうか。冷え症通り越して低体温症ではないか。低体温症で心拍数が極度に下がっているではないか。なんだそれ。 私が彼の前でメールしていると嫌な顔をするし、誰とメールしてるの?男?って聞かれるけど、私はそんな訳ないじゃんって笑いながら流すけど、もし、私がおもむろにメールや通話履歴を見せたら彼はどんな顔をするだろうか。どんなことを言うだろうか。どんな行動を取るだろうか。 もう、壊してやろうか。 壊してみようか。 悪い癖が頭をもたげている。 魔が刺している。 よし、壊そう。
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