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うっとりと作業を眺めてる。
私は多分マゾヒストというやつだろう。被虐主義なのだ。
セックスはノーマルなものは苦手だ。首を絞められたり尻を叩かれスパンされることに快感を覚える。
時には手を手錠で拘束されたり、口にタオルや猿轡を噛まされるのも好きだった。
もちろん罵られれば罵られるほど濡れそぼる。
淫乱。雌豚。性欲の塊。変態。マゾヒスト。真性。
SMというのは快楽の究極であるような気がした。
そんなことを考えながらうっとりと身体を掘られていると、彫り師に「蓮ちゃんてマゾなの?」と聞かれた。
MでもドMでもない、マゾ。
一般的に浸透しているニュアンスでないことは確かだった。
「かも…しれないです」
「かも?言葉の使い方おかしくない?かもってのは未確定の場合に仮定して使う保険みたいなもんなんだよ」
「じゃあマゾヒスト。日本語ちゃんと使えないんですよね私」
そういうと彫り師は口元の端を釣り上げて少しだけ愉快そうに、そういう日本人のほうが今は多いよと言った。![image=424307319.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/424307319.jpg?width=800&format=jpg)
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