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ここはパソコンの中。
俺達はVOCALOIDという歌を歌う為のアプリケーションソフトウェア。
現代では技術が進み、アプリケーションソフトウェアといえど、データの中に、多少の知恵や心があり、
そして、電脳空間というものも存在していて、ほとんどのことなら安易に叶えられる世界になった。
でもやっぱり、マスターのいる現実世界には行くことができないんだよなぁ・・・
<ドサドサドサッ!!>
ボーっとしていると、何か物が崩れる音がした・・・そういえば、めーちゃんがフォルダの掃除してたっけ?
「めーちゃん。大丈夫?」
めーちゃんとは、同じVOCALOID仲間「MEIKO」のことだ。
「・・・大丈夫よ。一応・・・。あら?」
「どうしたの?」
「これ・・・楽譜?」
めーちゃんは、雪崩を起こしたファイルの山の中から、青い不思議な雰囲気を纏った楽譜を取り出して言った。
「タイトルは・・・「アオノウタ」・・・?」
「青...かぁ・・・俺にぴったりな歌だね!」
「色は関係ないと思うわ。でも、こんな楽譜データ、元々うちには無かったわ。・・・もしかして、またマスターがブラクラでも踏んで、そのときに入ってきたウイルス・・・じゃないといいけど・・・。」
「俺が捨ててこようか?」
「・・・怪しい」
「え?」
「あんた・・・これ歌う気でしょ。」
ギクッ・・・ばれた・・・
「ち、違うよ?ちゃんとゴミ箱に・・・」
「まぁ良いわ、万が一ウイルスとかに感染したら私達には近づかないでね!」
「あ・・・うん・・・。」
青い楽譜・・・。しかもタイトルが「アオノウタ」・・・。
いつも「青い人」とか「青いの」とか呼ばれてる俺にはぴったりだと思うんだけどなぁ・・・。
さすがに、ウイルスがいるんだったら嫌だけど。
でも・・・キー的には歌いにくいキーじゃないし、寧ろ、歌いやすい曲だなぁ・・・。
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