第1部「蒼ノ歌」

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『アオノウタ(あおのうた)とは・・・世界を崩壊させる呪われた歌とされる歌。またはそのデータ。 かつてはホラー(?)ネタとしてインターネット上に広まったが、現在はどうなったかは誰も知らない。 ただ、その歌の楽譜データには「何れかの歌が解き放たれし時、残りの歌も、順に開放されるであろう・・・最初に開放したものの傍にある者によって・・・」と刻まれているらしい。 残りの歌とは、当時「アオノウタ」同様に広まった「アカノウタ」「ミドリノウタ」のことであるとされる。この3つは同じところに集まるとも言われていた。 当時の情報によると、「アオノウタ」は海・空。「アカノウタ」は火山・大地。「ミドリノウタ」は森・山を狂わせる歌で、3つの歌は神が宇宙人に交渉して地球に広めた。という噂も広まったが、根拠は無く、デマということで一連の事件は終結した。』 まさか・・・これが・・・? だとしたら、俺はとんでもないことをしてしまったのではなかろうか。 どうすれば・・・どうすれば解除できるんだろう・・・。 あ、この場合は封印なのかな・・・?どっちでもいいけど。 まてよ・・・傍にある者・・・3つの歌は同じところに・・・ 「ミクとめーちゃん!?もしかしたら、あの二人も歌ってしまうかもしれない!!」 ミクは、俺より後に生まれた、VOCALOID2「初音ミク」のこと。 よくめーちゃんと一緒にいるから、あの楽譜を見つけてもおかしくない。 「ミク!めーちゃん!聴こえるか!?変な楽譜を見つけても、絶対に歌っちゃダメだ!聴こえてるか?ミク!めーちゃん!!」 <バシッ!> 「うるさい!」 頭を軽くはたかれて後ろを振り向くと、そこには仕事帰りのマスターが立っていた。 「あ・・・マスター・・・お帰り・・・」 「まったく。こんな夜中に何一人で叫んでんだ!近所迷惑だろ?」 「うぅ・・・ごめんなさい・・・」 まさか、もうこんな時間になっていたとは・・・。 とにかく、今日はもう寝よう・・・。
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