幸せ全部使った気分っ!

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 僕は生まれて来て思う。これほどまでに幸せな事があっただろうか? と。 それと同じくらいにこうも思う。幸せだと感じるものが、過去にしか無いと思っていた自分はとてつもない勘違いをしていたのだ、とも。 僕がそのような事を考える原因の出来事がつい最近……厳密な日にちを言うなら体育祭が終わり三日目の今日、明朝に起きた。  僕は眠たい目をこすりながら朝刊を郵便箱から取り出したときにはらりと一枚の小さな封書が落ちた。 僕自身すっかりその事を忘れていたし、どうせ当たらないと覚悟すら決めていたのだ。 だが、どうやらこんな腐りかけた世の中にも救いの手を差し延べてくれる神様と言うのは存在するらしい。 「闇市春歌握手会のお知らせ……うわぁぁぁああ! 母さん! 母さんちょっと聞いて! ――」  広いあげたその封書に書かれた文字を読み上げた。僕はあまりの嬉しさにその喜びを知ってもらおうと台所に居る母の元へと駆け寄った所で鋭い蹴りが内蔵を揺らした。
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