第一話 再会

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    『……何でって、入学したからに決まってんだろっ! 剣道で推薦もらえてさ、それで……』  やけに喉が渇いていた。無理に笑ったら更に空気が凍ったような気がした。焦ったら早口になって、終いには言葉に詰まってしまった。 『……剣道、まだやってたんだ、』  だから、鳴海が何処かホッとしたようにそう呟いてくれた時は、きっとその何十倍も俺は安心したんだ。 なんだ、久々なもんで緊張してるだけか。ったく、幼馴染みの俺にまでその『超人見知りぐせ』発動させなくても。なんて。 気を取り直したのも付かぬ間だった。 『あのさ、なる、』 『ごめん、俺、役員だからそろそろ行くね』 『え、ちょ、なるっ!』  鳴海はいきなり会話を断ち切ると、足早に体育館の方へと消えてしまったのだ。 咄嗟に呼び止める俺の声なんてまるで聞こえてない様子で、ただの一度も振り返ることなく。 思わず声と共に動いた右手は空を路頭に彷徨ったまま、俺は呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。  
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