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私は、今年から教師になった。授業も、まだ少し緊張もするけど、だいぶ慣れてきた。
「先生っ」
私の背後から、声を掛けて来たのは、私が副担任を務めるクラスの松田光太君。
短髪で、背も高く爽やかな笑顔の似合う彼。いかにもスポーツマンって感じだ。現に彼は、バスケ部の部長をしている。その為、女子生徒達の人気も高い。
「松田君、どうしたの?」
一見、問題のない彼だが、私にとっては、問題児だ。
「先生、これからどこいくの?」
「職員室」
ニコニコしてたずねる彼に、私は、素っ気なく答える。
「ついてっていい?」
「駄目。早く教室、戻りなさい。次の授業始まるわよ」
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