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暫くそれが続き、今度は主人の両掌がムラに侵入してきた。そこには強烈な刺激を伴う液体シャンプーが付着している。あっという間にムラは泡に覆われた。
「サクセス、サクセス~。今こそ育毛チャンスだぜ~」
この言葉にはさすがのカミタも耳を疑った。
朝からシャンプーをして育毛チャンス? お前は何を勘違いしているんだ、と飛び出してやりたかった。
だが、実際にはそんな余裕はなく、成す術も無いまま水流に揉まれた。
やがて水の音が止まり、がさがさのタオルがムラを擦り始めた。
カミタは慌て横を見た。
すると妹と眼が合い、彼女は疲れたように微笑んだ。「何とか助かったね」
「うん」
カミタ吐息をつき、はっとして顔を上げた。ムラを見渡して、身体の力が抜けていくのを感じた。
「酷いな…」
ムラの毛人口は大きく減っていた。
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