僕とリュー

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リューが無言で出ていった後、僕も急いでお風呂からあがる。 フラフラと立ち眩みをしながらも風呂場から出ると、リューがやってきて水をくれた。 それを椅子に座りながらゴクゴクと飲んでいれば、リューはタオルを濡れている僕の頭に投げてくる。 そして僕は、ここでも更なる疑問。 ……どうして、僕のためなんかに世話を焼いてくれるんだろうか。 見返りを求めてる? すれば、何かが起こる? 訳がわからない。 他人にこんなことをしたって、何も良いことなんて無いじゃないか。 なのにどうして、リューはこんなことをするんだ。 「………………」 「………………」 水を飲み終わった後タオルで髪を拭いている僕と、ベットに座り込み上を見ているリュー。 相変わらず、お互い無言。 だから余計に、どうしてリューが僕を世話してくれるのかが分からなくなる。 気に入られてるという実感は無いし、これといった恩を売った覚えもない。 ……他人なんか、ほっとけばいいじゃんか。 突然やってきて、今日初めてあった僕なんか、気に掛ける価値も無いはずだ。
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