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どうやって生まれたのか
ここはどこなのか
そういった疑問は、なぜか沸いてこない。
ここにいるのが当たり前。
ここで生きるのが当たり前。
『エイチ』
「はい」
『レベル4クリア。』
コンピューターの声が耳に付けているイヤホンから聞こえ、構えていた小型銃を下ろす。
広く真っ白な部屋に立っている少年は
自分が倒した大きな獣には目もくれず、ただコンピューターの声を聞いていた
『エイチ、試験合格。これにて訓練メニュー終了』
………………無機質な音で喋るこの声を、僕はもう何年も聞き続けている。
僕たちは初め、5歳の体で生まれてくる。
そして名前をつけてもらい、次の日にはこの部屋で訓練をさせられる。
まず基礎を習い、訓練の仕方を教わる
そしてレベル1の人型ロボットから始まり、レベル4を倒すまで何年も戦い続ける
死にそうになる一歩手前に部屋に戻され、傷が癒えてはまた戦う。
僕達は、その繰り返しをしながら生きていく。
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