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「ごちそうさま」
朝ごはんとリンゴを食べ終わった僕は、お皿を持ちながら言う
「あぁ」
………リューはあまり、喋らない。
そして僕も、喋らない。
だって僕とリューが喋る理由なんて、無いんだから。
「リュー」
……それでも必要があるならば、喋るときは喋る。
僕とリューが喋らない理由も、無いんだから。
呼んだ声が聞こえたリューは、寝転んでいるベットの上から無言でこちらに顔を向ける
「リンゴが無い」
僕はそう言っていつもはリンゴが入っているはずの冷蔵庫の中を指差しながら、リューの事を見つめた。
「………」
「………」
無言のリューを無言で見つめ、ひたすらリンゴを求めていることを示した
「………」
「リンゴが無い」
「………」
「リンゴが無い」
「………さっき食っただろ」
「また食べたい」
「………」
「リンゴが無い」
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