分からない事

8/13

72人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
森の中は先が見えない程の暗さを持っていて、ひっそりと静か ……僕は少し不気味に感じるその森から目を背け、台の上に山ずみになっているリンゴに近付いた。 リンゴを売っているのは物静かなお爺さんで、リューはそのお爺さんにお金を渡す お金を受け取ったお爺さんは茶色い紙袋を取り出し、それにリンゴをどんどん入れていった。 「………………」 僕が黙ってその様子を見ていると、リューはお爺さんに渡された紙袋を何故か僕に渡してくる 「………………」 ――……ズシッ 僕は結構多いリンゴの入った紙袋を反射的に受け取っては、リューを見つめた 「持ってろ。」 簡潔的にそう言ったリューは、リンゴ以外の果物を見始める どうやら、まだ買い物をするみたいだ 「……………………」 荷物係を任された僕は、腕力は普通より強いため重くはないが………………大きさ的にしょうがなく両手で紙袋を持つ。 暇になったため、もう一度周りを見渡してみたら…………… …………さっきまで多かった人が、全く見当たらないことに気が付いた。 随分と町の外れの方らしいこの場所は静まり返っていて、音が聞こえない。 「………………………」 ある程度観察し終わった僕は、リューからはぐれないよう気にしながら適当に歩き出す しかし歩いた拍子に紙袋からリンゴが1つ落ち………………僕は両手が塞がったまましゃがみこむ。 ………………僕は少しだけ地を転がったリンゴを拾おうと、片手を伸ばす。 すると余計に紙袋からリンゴが落ちてしまい、僕は動きを止める。 …………少し面倒くさく感じながら、そこらじゅうに転がったリンゴを見渡した 何個か、森の方にまで転がってしまっている。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加