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森の中は先が見えない程の暗さを持っていて、ひっそりと静か
……僕は少し不気味に感じるその森から目を背け、台の上に山ずみになっているリンゴに近付いた。
リンゴを売っているのは物静かなお爺さんで、リューはそのお爺さんにお金を渡す
お金を受け取ったお爺さんは茶色い紙袋を取り出し、それにリンゴをどんどん入れていった。
「………………」
僕が黙ってその様子を見ていると、リューはお爺さんに渡された紙袋を何故か僕に渡してくる
「………………」
――……ズシッ
僕は結構多いリンゴの入った紙袋を反射的に受け取っては、リューを見つめた
「持ってろ。」
簡潔的にそう言ったリューは、リンゴ以外の果物を見始める
どうやら、まだ買い物をするみたいだ
「……………………」
荷物係を任された僕は、腕力は普通より強いため重くはないが………………大きさ的にしょうがなく両手で紙袋を持つ。
暇になったため、もう一度周りを見渡してみたら……………
…………さっきまで多かった人が、全く見当たらないことに気が付いた。
随分と町の外れの方らしいこの場所は静まり返っていて、音が聞こえない。
「………………………」
ある程度観察し終わった僕は、リューからはぐれないよう気にしながら適当に歩き出す
しかし歩いた拍子に紙袋からリンゴが1つ落ち………………僕は両手が塞がったまましゃがみこむ。
………………僕は少しだけ地を転がったリンゴを拾おうと、片手を伸ばす。
すると余計に紙袋からリンゴが落ちてしまい、僕は動きを止める。
…………少し面倒くさく感じながら、そこらじゅうに転がったリンゴを見渡した
何個か、森の方にまで転がってしまっている。
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