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………………突然の出来事に少しの間呆気にとられていた僕だったが、すぐにハッとする。
身体に噛み付かれているため動けないリューを見て
僕は足に力を込め、一瞬で狼の身体に近付いた
そしてそのスピードのまま拳に力を入れ、まだ噛み付いている狼の顔に軽く当てる。
――ドカッ!!
それだけで狼はリューの身体から離れ、勢い良く遠くに吹っ飛ぶ。
僕は視界が赤っぽくなったのを感じながら、飛ばされた場所からこちらを見る狼を見つめた
「………………………」
「…グルル……………………」
そして、ただ睨み付けるように見続けていたら…………………
…狼は、ゆっくりと身を退いていく
勝てないと分かったらしいその狼は素早く後ろを向き、暗い森へと姿を消した。
………敵が消えたと分かった瞬間に赤かった視界は元に戻り、身体に込めていた力も抜ける
「………………………」
………赤がスーッと消えた視界でリューを見ると、傷口に手を当て地面に膝をつき……座り込んでいた
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