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『031号室のキーは明日渡します。移動はその時に』
「はい」
『では、さようなら。エイチ』
「はい」
そう返事をしたと同時に扉が開き、獣のいた部屋から出る
この建物は特別に作られているらしく、地下でもないのに廊下に窓は1つもない。
……ここが何の為にあるかなんて分からない 。
僕が何の為に作られたのかも分からない。
けど別に、知りたいとは思わない訳で
理由とか意味とか……そんなのどうだっていい
生きていけるのなら、どうだっていい。
――ガチャッ
……たどり着いた部屋は大部屋で、何十人か分の布団だけが敷き詰めるように敷いてある。
ここに居るのは全員、レベル4をクリアしていない者たち。
けど、別に仲間だとかライバルだとか……そんなのは無い
現に今。
所々で怪我人が布団で眠っていたりしているが、誰も何も関わらない。
一足先にレベル4をクリアした僕に、話し掛けてくる奴もいない。
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