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「こんな目立つとこにいるとはね」
夏川が腕を後ろに回したまま近付いてきた
「あれ?夏川さん、何か隠してるの?」
「白々しいわね!分かってるくせに!」
夏川は恥ずかしいのを隠すように勢いよく手に持っていたものをテーブルに出した
「で、何コレ?」
「チョコよチョコ!」
「で、どうするの?」
「渡すに決まってるでしょ!」
「で、1つしかないけどどっちに?」
大山は吉見の方をチラリと見た
目が合う
そして2人の視線は自然に夏川へと動く
「あんたに決まってるでしょ!」
夏川はスッと大山の方へとチョコを寄せた
「こんなに人がいたら渡せないと思ったら大間違いですからね!私は勝負するって決めたんですから!渡されたからにはちゃんと食べなさいよ!」
夏川は食堂に響くような大声で言い放った
やがて注目を浴びてるのを察知して逃げるようにその場を去っていった
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