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大山の勝利が決まった
それもあっさりと3人が続いて
「嘘だ…ありえない…」
吉見の顔が青ざめていく
「一体何をしたんだ…?」
「ほんのちょっとの隠し味で人の心は変わるものなんだ」
「…隠し味?」
つまり大山は何かをしたということだ
きっとそれは『ルールの範囲内』ということではなく『ルールの抜け穴』のようなことなのだろう
しかし今の吉見にそれを考える余裕はない
「頼む…教えてくれ」
「仕方ないなぁ、まずはだな…」
大山は何か言い掛けたが背後から服を引っ張られるのを感じ、振り返った
「ん…」
玲が差し出した小さい手の上にはさらに小さいチョコが何に包まれるわけでもなく裸のままで乗っていた
「オレでいいのね?」
「若干…不本意ですが…でも…お返しは…絶対…」
「はいはい、分かってますよっと」
大山はそのチョコを口に放り込んだ
すると玲は吉見に振り向きもせずに帰っていった
しかし吉見は呼び止める気力すらなかった
「えーと、どこまで話したっけ?」
「…まだ何も」
「そうだなぁ…試合に勝って勝負に負けたってやつかな。いや、肉を切らせて骨を断つか?」
「もっと簡単に言ってもらえないかな?」
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